砂漠で緑を育てる:リビアの若い農民が農業を改革する方法

砂漠で緑を育てる:リビアの若い農民が農業を改革する方法
Growing Green in the Desert: How One Young Libyan Farmer is Reinventing Agriculture

太陽が照りつけるトリポリ郊外で、静かな革命が芽吹き始めている。砂漠の真ん中で、土壌を使わずに豊かな有機農作物を栽培している24歳のリビア人農家、アブダラ・エルファンディ氏を紹介しよう。彼の秘密は? アクアポニックス。魚と植物が調和して共存する、巧妙な閉ループシステムだ。リビアは気温上昇、干ばつ、そして崩壊しつつある灌漑システムに悩まされている。エルファンディ氏のハイテクで節水型の方法は、状況を大きく変える可能性がある。

土壌を使わず、無駄を省く農業
彼の農場「ハイドロハーベスト」では、ティラピアなどの魚が水槽で泳ぎ、その栄養豊富な排泄物がレタス、ミント、ケールなどの水生植物の浮床に肥料を与えている。土壌も農薬も使用せず、水だけが再利用されている。水不足と気候変動の影響で農業が行き詰まっているリビアにおいて、エルファンディ氏のシステムは持続可能な生命線となっている。

一方、モハメド・アル・ザワウィ氏のような伝統的な農家は、苦境に立たされている。かつてはトラック数台分の農産物を収穫できたアル・ザワウィ氏だが、今では1台分の収穫さえままならない。彼は淡水化やより効率的な水利用といった支援の強化を求める一方で、アクアポニックスといった新しい手法にも希望を見出している。

リビア農業の未来像
EUから2万ユーロの助成金を受け、エルファンディ氏は事業を拡大し、新たな要素も取り入れている。例えば、成長が早く、蒸発を抑制し、魚の餌としても役立つ水生植物アゾラなどだ。彼の目標は?このモデルをリビア全土に広め、どんなに厳しい環境でも農業を再び持続可能なものにすることだ。

「変化は可能だ」と彼は笑顔で語る。そして、他の人々もその言葉を信じ始めているようだ。ベテラン農家でさえ、水耕栽培に足を踏み入れ始めているのだ。

水がなくなり、作物が不作となっている地域において、エルファンディの砂漠の農場は、稀有なもの、すなわち希望の理由を提供している。

Source : https://www.dw.com/en/a-libyan-farmer-growing-organic-food-in-desert-conditions/video-73033548